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~ 体にも良い純米の燗酒
~
淺野 :
純米酒はやはり社長さんが広められたんじゃないですかね。
宇治田 :

よう考えてみたら、アルコール類やブドウ糖を入れるでしょ。コストは安いか知らんが、やっぱり昔どおり米だけでやらなきゃいかん。ついでに防腐剤を抜かなきゃいかん。ということで作って、それを飲んだら翌日残らない。これならいけるな、というので、天龍寺の管長さん(関牧翁老師)にお勧めしたんです。天龍寺の管長さんがそれを日経に書いてくださって、それがいろいろな方のお目にとまったようです。
戦争中から酒は配給になって、田植え酒とかも配給になってきたわけです。それで昭和十九年、敗戦の前の年に、米が足りない、酒ができない、ということで、酒に焼酎を入れてよろしい、となった。それが二十四年には、アルコールを入れてよろしい、ブドウ糖を入れてよろしい、と。
それで私のところが、昭和四十二年にアルコールもブドウ糖も入れない昔ながらの酒を作ったとき、当初は無添加酒といったんです。ところが無添加酒、無添加酒というと、他の酒はいかにも添加物があるみたいで具合が悪いからと、純米酒という言い方に変わったんです。
淺野 :
ははあ。
宇治田 :
しかし里見弴の小説などを読んでいると、盃のやり取りがいいですね。しかも盃洗が出てきますね。盃のやり取りをするとき、盃を返すときに盃洗でゆすいで渡す。そのとき、酒飲みは盃洗ではゆすぐだけ。ところが弱い人は、ゆすぐようなかっこうをしてお酒をあけてしまう。飲まずにね。そういうふうに、盃洗というものは便利なものだった(笑)。今はもう全然使いませんがね。
淺野 :
お酒を飲んでるとやっぱりお元気ですね。
宇治田 :
いや、八十三になると足腰がだいぶ弱ってますよ。
淺野 :
やはり燗酒ですか。
宇治田 :
まずお燗します。胃袋の温度が三十六、七度でしょ、体温ですから。三十六、七度というのは、ちょうどぬる燗の温度です。胃袋と同じ温度の酒を流し込むほうが、すいすいと飲めるわけですよ。あまり冷たいとそうはいかないですよ。
淺野 :
冷酒は昔はヤクザというか、遊び人がイキがって飲んだものだ、冷たいものを飲むのは体によくない、と書いてる人がありましたね。アイスクリームなんかも小さい子供には食べさせないほうがいい、というようなことも書いてありました。
宇治田 :
なるほど。
しかし今日は、御主人とお話しできてよかった。私が本当の酒を復活したときに、一色さんでそれを取り上げていただいたということは、非常に嬉しかったですよ。
しかし今日は、御主人とお話しできてよかった。私が本当の酒を復活したときに、一色さんでそれを取り上げていただいたということは、非常に嬉しかったですよ。
淺野 :
いや、とんでもないです。
(2003年7月17日 葉山「一色」にて)

