
祇園花見小路の路地を曲がったところにひっそりある長屋を改築した。店名は久世佳史(くぜ・よしふみ)社長の実家の屋号から取った。南区で百姓だったという社長は、昔から馴染みのある農家や、その人脈を生かしたルートから素材を調達、すべて顔の見える料理を実践してきた。メニューにも、例えば「上賀茂田中氏作 冷やしトマト」といった表記が並ぶ。「安全」「安心」にこだわり、作り手の顔の見えない素材は使わないという信念が垣間見られる。
特に「料理の味を分ける」という醤油と塩にこだわる。濃い口醤油は静岡の造り蔵、うす口醤油、たまり醤油は小豆島、塩は宮古島の天日塩のみを使う。また、ごま油は「味が違う」と京都の山田醤油以外は使わない。野菜は無農薬有機ものにこだわり、調味料のひとつひとつまで自分の舌で確かめ、惚れたものだけをとことん使う。店内の一角に、店で使う調味料などのパンフレットが置かれているのも、素材への愛情の現れだろうか。
店で使うお酒も同様だ。玉乃光「みぞれ酒」は社長も認めた一杯。そしてその肴も完成された逸品のみ。この季節(初夏)に楽しい代表的な3品を作ってもらった。

暖簾をくぐると女将の長田美和(おさだ・みわ)さんが笑顔で迎えてくれる。長田さん目当ての会社員も多いと聞くが、その実、祇園という場所柄、客層にも広がりがあると言う。例えば、観光シーズンには外国人観光客も多く、2階には祇園を代表する音楽バー「KENTS」があるが、まずは「蕪屋」に来店すると言う。「この界隈で店前に明瞭に料金を掲示する店は珍しい。一見さんや、外国人観光客にもおいしい日本食を味わっていただきたいため、入りやすい店作りを心がけている」と社長。特に外国人に混乱をきたさないため、メニューにない「お通し」も出さないと言う。料理以前の要素にまでこだわる「蕪屋」だけに人気も高く、特に週末は予約が望ましい。店の奥には座敷もある、年末年始のみ休み。
◇住所 京都市東山区祇園町南側花見小路四条下ル一筋目西入ル
◇電話 075・551・0900
◇営業時間 午後5時~午前0時(ラストオーダー午後11時)
◇公式HP http://www.cabura.co.jp/kaburaya/
◇電話 075・551・0900
◇営業時間 午後5時~午前0時(ラストオーダー午後11時)
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