
良い料理を作るためにはまず素材が第一です。 いくら料理人が腕を振るっても、素材が悪いと本当に良い料理はできません。
同じように、良いお酒を造るためには、原料に良質の米、しかもお酒造りに適した米(酒米:酒造好適米)が必要です。
良い酒米は一般の食用米と全く異なります。
安政6年(1859年)に発見され、今なお最高級品としてその地位を不動のものとしている酒米、それが備前の雄町米です。背が高く作りづらいという理由から、戦後の食糧難の時期には絶滅寸前まで減少しました。しかし、酒米としての価値を認め、栄えある伝統を復興すべく、玉乃光は篤農家と共に昭和57年(1982年)以来、この雄町米を復興して来ました。

酒米には心白と呼ばれる中心が白色不透明でデンプン質を多く含んだ部分があります。逆に周辺部分には、脂肪や蛋白質が多く含まれています。そのため精米することによって、その周辺部分を取り除くと、良質な米デンプンが得られます。心白は細胞構造が粗であるため、光が乱反射して白色不透明に見えます。
お米の中にはデンプン質、脂肪、蛋白質などの成分が含まれています。お酒を造る上で最も大事な成分はお米のデンプン質です。他の成分は雑味の元となり、少ない方がお酒造りに適します。
精米でお米を磨くほど、そのお米を使って仕込んだお酒の味はきれいになります。
一般的なお米は小さく、もろくて硬いので、磨いてるうちに割れてしまいます。高級酒用の高度な精米に耐えられるお米には、粒が大きく、柔らかくて、粘りのある特徴を持つ酒米が最も適しています。
酒米のうち、現在確認されている最も古い品種は岡山県の「雄町」という酒米です。安政6年(1859年)に発見されて以来、100年以上経った現在でも最高級の酒米として不動の地位を築いています。愛飲者の間で良く知られている兵庫県の「山田錦」は「雄町」の孫に相当します。

■出典■
*1 岡山県雄町 碑文 昭和5年10月
*2 滋賀県農試 昭和27年7月
*3 兵庫県中町安田 碑銘文 明治37年2月
*4 酒米の品種 平成5年8月
*5 福井県大野市 資料 昭和61年2月
*6 京都府農総研 資料 平成4年3月

